みぐるみん

身ぐるみ脱ぎ捨て自由に生きる。おひとり様引退ナースが人生でやり残したことをやるために創った空間です。

ケロロ軍曹と雨の縁側で

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6月といえば雨、雨といえばカエル。

カエルといえばケロロ軍曹しか思い浮かばない。

特別アニメ好きというわけでもなく(もちろん嫌いじゃない)

どんな物語なのかは知らないが、ご縁があって共に暮らすケロロくん。

 

昨日の記事の終わりが、匍匐前進(ほふくぜんしん)という軍隊的響きだったからか?

うちの軍曹。普段はあまり存在感を見せないケロロくんに、久々フォーカスした。

ぬいぐるみの類は正直あまり得意ではないため、積極的に集めることはない。

それなのに何故か、3名のキャラクターとご縁があり長年一緒に住んでいる。

そのうちの1名が、ケロロくんだった。

 

ケロロくんとは15年ほど前に出会った。

職場の同僚だった友人が幼稚園児の娘さんを連れて近所まで遊びにきたことがある。

その少女が持っていたケロロくんをみた時、私は心の底から欲しくなってしまった。

2頭身で手のひらサイズ。小洒落たジャズ喫茶のテーブルで、

私の食い入るような視線を受けながら、平然とケロロくんを見せびらかす友人の娘。

少女は友人似の超美人で頭がよく、どこか大人びたところがあった。

その日の話題はわりと真面目な内容だったし、

初対面でいきなりケロロくんに食いつきすぎるのは大人気ない。

ただ「いいな…いいな…」を控えめに連呼した。

 

それから私はケロロくんのことを忘れていた。

そしてまた、久々にその友人と会う機会ができた。

彼女がバックから何やら取り出して、カフェのテーブルにポンとおいたのが

ケッ…ケロロくん!

「娘がね、”私はもういいから、これ〇〇ちゃんにあげて”だって」

やれやれ仕方ないわね、みたいな顔でクールな捨て台詞を残して幼稚園に行ったらしい。

あれから15年。少女は成人する頃だろう。きっとクールな美人に成長して。

私だけが精神年齢幼稚園児のまま、ケロロくんと遊んでいる。

 

思えば、幼児や動物に子供と間違われることが何度もあった。

エレベーターで一緒になった同じマンションの小さな男の子が、

エントランスに向かう私の方を振り返りながら、

ママ、さっきあの子がさぁ…」と、言ったのを聞いてしまったことがある。

「こらっ…しっ」お母さんの小声が地味なトドメだった。

 

私は自分がそんなに小さいという自覚がなく、40代に入って後半ぐらいからようやく、

もしかしたら…と、じわじわ疑い始めたほどで、感覚過敏なくせにそこは鈍感だった。

友人宅のラブラドールレトリバーは、きっちり躾けられているにも関わらず、

何故か私ひとりだけが標的になった。毎回玄関で肩に手をかけて顔中舐められ、

リビング中追いかけ回されオモチャにされた挙句、抱き枕代わりにされ一緒に昼寝。

幼い子や動物は、実年齢じゃなくて見た目のサイズ感で判断するという人がいたが、

本当かもしれないと思った。

153センチ43キロ前後。日本人なら同じ背格好の人はごまんといるはず。

ある友人は、遠くから手を振る私と、目の前まで歩いてきた私が、

同じサイズに感じられて不思議だと言った。

「〇〇さんってなんか妖精みたいに独特な小ささなんだよね」 と。

遠近法のない世界に住む妖怪みたいなイジられ方をされた思い出もある。

 

ニックネームに「みみこびと」とか、

やたら小人付いているのは、そんな刷り込みが宿っているのでやむ負えない。

いっそのこと、もしも万がいち老齢まで生きてしまったら、

本気でミニチュアサイズの婆さんになってみてもいいかなと思う。

手乗り婆さんとか肩掛け婆さんレベルの縮小も、

不可能ではない気がする。

 

あぁ…本当にどうでもいい話題。

しかし軍国主義的な気配がどことなく社会の基盤にうごめいているのを、

ケロロくんを通じて感じてしまう。

軍曹、もうやりませんよね?

終わったんですよね戦争は。

そこんところ、実は深い。

戒めのケロロ軍曹と共に古いシステムの終了を願う。

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もう普通のカエルに戻っていいよ。。。