みぐるみん

身ぐるみ脱ぎ捨て自由に生きる。おひとり様引退ナースが人生でやり残したことをやるために創った空間です。

久しぶりの眠い満月

先ほど今年初めての昼寝をした

特別体調不良がない日に昼間横になるのは久々だ。

一人暮らしの頃はよくうたた寝した。15分か30分程度、大半は読書途中でちょっと休憩のつもりが…というやつだ。

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確かに現在の私は賃金の発生する仕事に就いていないため無職に違いない。体調が不安定で自宅療養中というのも間違いない。言葉だけ切り取れば、社会の秩序から脱線した引きこもりニートというラベルを貼られるだろう。悪気のない冗談だったとしても「子供部屋おばさん」という言葉が身内の口から実際に発せられたこともある。世俗というのはそういうものなのだろう。自分は今こんな症状でこんなに苦しんでいて…だから…とか、もう主張する気にもならない。

「自分自身」と「わかってくれる数少ない本物の友人」の存在があればそれでいい。

しかしこのレッテルに沿ってついつい自己卑下に陥りそうになることがある。刷り込みとは本当に恐ろしい。

この3年間、ローンや家賃に比べればごく少ない費用で生活できたことに感謝している。医療費を使わずに自力で不調を直そうと思ったら、都会の一人暮らしでは難しいのだ。

家賃・光熱費を父親に支払い、無職の間一度も使っていない国民健康保険料も支払い、日々の食費や日用品も当然自分で払っている。親の年金ぶら下がりの人を悪くいう人もいるが、本当に悪意をもって搾取している人などわずかなのではないか?私よりもはるかに具合の悪い人なら、私の1ヶ月分の食費など治療代に飛んでいくだろう。そうなると家にお金を入れるゆとりがない人も出てくるだろう。誰もが貯蓄たっぷりなんていう時代背景ではないのだから。本当に悪意があったり、ただ楽したいだけの依存でしかないなら、親が死ねば即自分に跳ね返るから本人もそれなりの代償は支払うことになる。

高齢者との暮らしも社会背景上当然みたいにスルーされるが、手のかかり方は様々であっても同居して見守り介護するだけでも結構しんどいのだ。寝たきりの介護は案外ケアのパターンができやすい。逆に、認知症が激しいわけでもなく身体もそこそこ動くから行動範囲が広く、傍目に見るとお元気でいいですよね、とか言われるケースは意外と辛い。うちもそうだ。見守りする子供世代はニート側にひとくくりされる。毎日外へ仕事しに出ていかないという時点で「にっぽん村社会ご近所世間体噂話システム」的にはアウトなのだ。

我が地域も、自宅にいながら世界と繋がれる時代だという現実など通用しない空気感だ。

自分はなんの社会貢献もしていない無能な存在だと、無言の同調圧力に刷り込まれる。

しかし今日ふと気付いたのだ

本当に無能なのか?

親より先に自分の最愛のものを手放して身辺整理をした。先に着手しておかないと子供のいない単身の私には限られた労力と時間しか残っていない。親が長生きしようがなんだろうが、

私は私で必ず死ぬのだ。

全てが年功序列に進むほどこの世は機械的に規則正しくできてはいない

過去3年間にメインの実家大規模断捨離は済ませていても、日々の掃除や定期的な家のメンテナンスはなくならない。新たな不具合も出てくる。全部母任せで見て見ぬ振りの丸投げ事項が浮上する度に結局こちらがゼロから調べて処理しなくてはならない。物と金への執着が凄まじい父親管轄区域の断捨離は、まだおぞましいほど大量に残されている。自分にこれを処理する体力も人生も残されていなかったとすれば業者頼みになるだろう。そこには当然費用が発生するわけで、涙ぐましい節約生活はそのためでもある。ご近所の目には触れないあらゆる負担を背負って暮らしていても、傍目にはただのニートだろう。

昼寝から目覚めてふと思った。外で働いていた頃よりも休めていない部分もあったのだと。

今日の30分ほどのうたた寝中、数人の『こびと』が耳元でささやいてくれたのもしれない。

「またそうやって自分をいじめようとしてるぅ?」

「給料はもらっていなくても働いていることを思い出しなはれ」

「老人施設で座って見守りしているだけでも報酬出てたんじゃないですか?じゃあ今だって報酬に値する仕事してるんじゃないですか?タダ働きじゃねーかコンニャロ〜と逆ギレするのは行き過ぎだけど、悪びれて落ち込む必要はないです」

「もうええかげん従来の古臭い仕事の固定概念を捨てなさいよ。あーもう飽きたっ」

『こびとたち』がちょっとムッとしながら言う。

満月だからという特別な思い入れはない。最近は西洋占星術も流行り、満月新月に関する動画なんかも増えている。確かに私たち人間と惑星は密接に関係し、同じ宇宙の一員だと私も思っている。潮の満ち引きとか生命の神秘は興味深い。私たちも自然の一部だということだけは忘れないように…とはいえ、あまりガッツリこだわりすぎない程度に満月の神秘と付き合う。

そういえばなんか眠かったな…を、満月のせいにさせて頂く。「うっかり自分をいじめる自分」をなだめる言い訳させてくれてありがとう。

「みぐるみん」にとって、眠りは里帰り。

今夜もこびとたちとゆっくり語り合える良い眠りになりますように。。。