みぐるみん

身ぐるみ脱ぎ捨て自由に生きる。おひとり様引退ナースが人生でやり残したことをやるために創った空間です。

熱海が気になって不眠だった夜

私にしては珍しく深夜2時ごろに一度目覚めて少しの間寝付けなかった。

熱海のニュースが頭から離れず、気が張っていたのだろう。

スマホが発達した現代ではタイムリーな映像情報が即座に飛び込んでくる。

想像を絶する光景が続々と公開されていく。

これでオリンピックにまだ固執するようなら、

政府の本質は剥き出しになる。

温厚な国民も遂に見切りをつけるだろう。

異常気象を肌で感じるような異様にまとわりつく不自然な空気。

昨夜は酷暑真っ只中の熱帯夜みたいだった。

自分自身は暑さに耐えられるよう訓練してあるが、今年はそうはいかない。

節約して手に入れた大切な命綱・MacBookくんを守らなければならない。

 

私の頭は概ね吹っ飛んでいるが、すみっこの狭いエリアの一角には

計算高く論理的思考で生き残りを策略する図太さがまだ生き残っている。

世俗離れしたポエム的で支離滅裂な自然の摂理に身を任せつつ、

いつ消滅しても構わないと本気で考えながらも、

どこかで冷淡に「姑息なこびと」のささやき声を拾っている。

「生存本能の強いこびと」も混じっているのだ。

なんとなく直感的に社会情勢と個人的な状況から想定して、

ここ数年は引きこもり覚悟で生活設計してある。

底辺でも耐え抜けるように。1ヶ月5045円でも食べていけるように。

意図的なようで意図的でもない。

そんな伏線を自分が張っていると気づくのは振り返ったときだけで、

狙ったことはない。たった今それに気付いたぐらいだからだ。

 

移動がない状況下であえてラップトップパソコンを選んだのは、

時間帯に合わせて室温の低い部屋に移動させられるから。

災害の際にも救出しやすい。

コストが安いのもメリットだったが、酷暑対策が最優先だった。

昨日は日没後どんなに換気しても室温が下がらなかった。

掃除して準備万端のエアコンが遂に活動開始。

室温が28℃を切るようになるまでかなり時間がかかった。

快適な室温になったらすぐにエアコンを止め、

寝苦しくないうちに寝ておこうと早めにベッドに入った。

前半で深く眠れたのかもしれない。

熱海の土砂災害が気になって目が冴え、中途半端に二度寝して寝坊した。

神奈川方面の知人は無事だと分かっていたが、

同じ国内でこの瞬間にとんでもないことが起こっていることは事実だ。

どうしても他人事ではいられない。

過剰に恐れて不安を煽るか、安全を過信して完全に他人事か。

なぜか今の日本は、この二択しかないみたいになってしまった感じもする。

平常心に無関心の種が侵食してしまって変異したみたいに。

平常心は無関心とは違う。

平常心とは「普段と変わらない心、揺れ動くことのない心理状態」などと言われるが、

緊急時にも冷静沈着に平静を保ってブレないメンタルの強さだといえる。

いかなる窮地に追い込まれても、

自分に火の粉が直接かからない限り自分だけは関係ないと思い続けられる。

その国民性にある意味救われている部分があるかもしれない。

世界的にみると冷静沈着で秩序正しいと褒められることも多いが、

単にギリギリまで他人事だから保てる強靭な?

メンタリティかもしれない。

それは自分の体験から学んだことだ。

普通に寝て目覚めたら、自宅の窓からの風景がこうなっていた。

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以前の記事でも紹介した1995年の阪神大震災。当日の写真ではないが、

後に罹災証明書発行のため必要になり撮ったものが残っていた。

うちは結局「半壊」認定だったが、いつ崩壊するかわからない間のマンション内立ち入りは命がけ 。

身ひとつで飛び出したため、一度だけ時間をおいて回収できる貴重品だけ取りに行ったがそれっきり。

写真には2月15日と記されていて、地震後2回目の帰宅は約1ヶ月近く経ってからということになる。

当時はまだ携帯電話すら行き渡っていない。普通のカメラでの撮影だ。

個人所有のタイムリーな映像は、趣味のビデオデッキなどを運よく使えた人しか残せない。

普通に寝て普通に起きたらビルが倒壊して周囲が燃えている情景だった。

熱海の方々だってそうだろう。

確かに大雨だとは知っているが、昨日まで普通に暮らしていたのに、

いつも通り慣れた玄関先の坂道を高台の家が流れている情景。

それがどれほど衝撃的か。痛いほどわかる。

しかし私自身こうして痛い目にあっていても、月日が経つと忘れている。

辛い記憶は無かったことにして、他人事になってくのだ。 

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日本人を表現するのにぴったりなのが、

正常性バイアス」と「同調圧力

なんじゃないかと思っている。

同調圧力への拒絶反応は、自分の過去記事の中に浸透してしまっている。

自覚がなくても客観的に眺めると「未熟な反抗期のこびと」が大暴れしているのが透けて見える。

正常性バイアス」についても同じかもしれない。

正常性バイアスとは、認知バイアスの一種。社会心理学災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価してしまう人の特性のこと。(Wikipediaより)

私自身、批判的な意味合いで使ってしまいがちで反省している。

見方を変え、使い方をハズさなければ有益な性質を含んでいるのに。 

知らないうちに自虐行為をしている自分に気づく。

平常心が無関心へと誘導されていくのを黙って見ているわけにはいかない。

無関心の種に支配されないようにしたい。

日本人という狭い括りではなく、

この東洋のおおらかな平常心を守ることが、

正常性バイアス」が秘めた「平常心」の活用につながると信じたい。

被災地の無事を祈りながら。