みぐるみん

身ぐるみ脱ぎ捨て自由に生きる。おひとり様引退ナースが人生でやり残したことをやるために創った空間です。

生まれて初めて「カマキリがハッとする瞬間の顔」を見ました。

こんにちは。mimikobitoです。

日中はまだ、18℃ぐらいまで気温が上がります。

朝のスタートが冬モードでゆっくりになるので、

洗濯物を干すのも日差しが十分降り注ぐまで、

焦らずのんびりペースです。

小春日和みたいな我が家の庭で

庭の洗濯物干しを置いている場所に、

井戸水を流している石臼と、

隣り合わせで咲く花があります。

この水を飲みに野鳥や虫がたくさんやって来ます。

隣りに咲く花は自然のまま放置なので、

すっかり枯れた部分がお見苦しいのですが、

珍しくしゃがんでゆっくり見てみました。

小春日和みたいなポカポカ陽気の庭には、

いろんな生き物が飛び交っていました。

以前なら何とも思わないかやんわり追い払う感じでしたが、

雲丹枕さんの昆虫写真で世界観が変わり、

昆虫への警戒心を解き、親近感を持つようになりました。

小さな命を見くびらないように気をつけています。

自分も人間界では小さいもんですから、

小さいもの同士いたわり合おうという気がしてきたのです。

カオスな花園

そんな視点で花の前にしゃがんでいると、

蜂かアブみたいな虫や、蝶か蛾か、ハエもいたし、

何とてんとう虫までひょっこり顔を出しました。

まだ残っている花の蜜にみんな群がっています。

こんな狭い空間で、なんかめちゃ賑わってるんですけど。

11月半ばだというのに…いや、本来こんなもんだったかな?

いろいろ考えていると…

なんか違和感が…。

いろんな場所にいろんな虫が止まっていましたが、

え…?

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なんかちょっと違うの混じってるんですけど…。

カ、カマキリさん?

わたしは急いでiPadを部屋に取りに行って戻りました。

思いがけないカオスな光景を撮りたかったのですが、

てんとう虫は潜ってしまい、

他の虫も飛んで行ってしまいました。

でもちゃんとヤツはいる。

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よく見ると自分より細い茎にしがみついている姿が、

うわっ、カッコわるっ…。

何やってんねん…。

そうです。

わたしはカマキリの習性など全く無知であり、

このカマキリさんが蜜を吸っている虫を捕まえようとして、

じっと待機していることなど全く知りませんでした。

もう一度カマキリさんの近くにしゃがんだ時、

一瞬ですがカマキリさんが、

ハッとした表情を見せたのです。

みなさんはカマキリがハッとして二度見する姿を、

ご覧になったことがありますか?

わたしは飼っている亀がハッとする顔はよく見ますが、

カマキリに関しては全く初めてのことでした。

もちろん写真には撮れませんでしたが、

なかなか結構ナイスなカマキリさんのリアクションに、

わたしは速攻食いついてしまいました。

そこから、この気の毒なカマキリさんは、

気の毒な運命を辿ることになるのです。。。

ゴンドラに乗って…

わたし「ちょっと、その体の大きさでそこはないんちゃうの?」

カマキリさん「………」

わたし「まさかのまさかやけど、降りられへんとかちゃうよね?」

カマキリさん「んなわけないやろが…何やねんこのオバさん」

わたし「飛んで降りたらええだけやし、下はふかふか葉っぱあるし」

わたし「でも最近突風吹くから、ゆらゆらしたら危ないんちゃう?」

カマキリさん「もうええから、あっち行っといて」

わたし「わかった。やっぱり茎が細すぎて降りられへんみたいやね」

カマキリ「いやいやいや、だからそうじゃなくて…」

わたし「ちょっと待ってな」

石臼に置いてある木の杓子を手に持つわたし。

威嚇のポーズを取るカマキリさん。

わたし「はい、どうぞ。そんなん遠慮せんといて」

カマキリさん「遠慮て…これ威嚇っていうんですけど」

ここでわたしは天使の微笑みのつもりで、

カマキリさんの目をじっと見つめながら待つ。

体の横に木杓子を添えられたカマキリさんは、

威嚇の態勢を維持しつつも後ろ足をジリジリっと、

木杓子をまさぐるように滑らせてツンツンした。

その様子を慢心の微笑みで頷きながら眺めるわたし。

わたし「そうそう、大丈夫。助けてあげるんやから」

カマキリさん「いや…自分はただ獲物をとりたいだけで…」

見つめ合うふたり。

カマキリさん「え?…マジこの人天然?」

わたし「そうそう…その調子…ゆっくりそうそうそこに入って」

カマキリさん「いや、ちょっとでも…あ…いや…ハイ」

カマキリさんは、わたしがかかげた木杓子に、

自らゆっくりと乗りこんでしまった。

わたし「そうそう、お利口さんやね。もう大丈夫」

カマキリさん「大丈夫て…昼ごはん…あ〜」

カマキリさんは、結婚式当日のサプライズ企画で、

花嫁に騙されて乗せられたゴンドラで、

スモークの中をひとり降りてくる花婿のようだった。

わたしには気づかなかったが、

もしも人間に例えたならばきっと、

眉尻を下げ小鼻を膨らませた微妙な笑顔で、

ゴンドラに乗っていたはず。

わたし「はい。これからは気いつけや。じゃあ達者でね」

カマキリさん「…………」

わたしはカマキリさんをアイビーの葉の上にそっと下ろした。

ついでに愛を込めて背中を何度か撫でたがじっとしていた。

それからしばらくの間カマキリさんは、

洗濯を干すわたしをじっと見ていたが、

やがて姿を消した。

おわりに

無知な人間ほど怖いものはありませんね。

カマキリさんには本当に申し訳ないことをしたと思います。

しかしながら彼か彼女か知りませんが、

とても出来たカマキリさんだと思いませんか?

うっかり自らゴンドラに乗ってしまうという、

見事な対応にわたしは感激いたしました。

わたしの眉間から出る変なビームに、

あれほど完璧にやられてくれるなんて(笑)

そして今日もうっかり最後まで読んでくださったみなさん、

いつもありがとうございます!

では、また〜!