みぐるみん

身ぐるみ脱ぎ捨て自由に生きる。おひとり様引退ナースが人生でやり残したことをやるために創った空間です。

被災経験者の私が「暮らしの中の防災対策」をまとめてみた

ここ数日の豪雨被害。

皆さんの地域は大丈夫だろうか?

熱海の土砂災害が復旧しないまま、

島根・鳥取の豪雨も心配なここ数日。

ここ瀬戸内海沿岸部でも夜明け前から雷雨が続いている。

災害対策を特別なものと考えていないだろうか。

これから来る台風シーズンを前に、

f:id:mimikobito:20210708170551j:plain
f:id:mimikobito:20210708171626j:plain
焚き火台とポットが合体!湯沸かしケトル(左)園芸用ウエストバッグとサバイバルナイフ(右)

 オリンピックより災害対策最優先でしょ?

国も自治体も当てにならないこの時代。

いつの間にか日常になった自分流の災害対策をまとめてみた。

 [災害対策を日常生活になじませる]

1)防災意識が高まる考え方

1 個人の暮らしから逆算して考える

公的機関や各種団体のマニュアルは正しいが、

日常生活から遠すぎる存在に思える。

マニュアルに沿って備え万全にしていても、

暮らしに直結させていないと使いこなせない。

非常時に冷静な日本人でも最初は非日常に戸惑う。

個人の適応能力次第で異なるが、

想定外の事項が苦手な人はパニックになりやすい。

パニック状態でマニュアルに沿って動けるか?

マニュアル暗記と実践に自信がないなら、

日常生活を逆算して考えることをお勧めする。

「自分の頭で考える」

「自分のライフスタイルを知る」

自分らしい人生を楽しみながら防災意識が手に入る。 

自然に身についたオリジナルの視点は、

とっさの判断・行動に欠かせないサバイバル能力になる。

2 特別扱いせず見て見ぬ振りもしない

防災訓練を批判するつもりはない。

マニュアルと同じで正しいことだと思う。

「かしこまった行事」として特別扱いしないのなら効果的だろう。

過剰にあおられると誰でも緊張する。

マニュアル暗記のカチコチ頭で過緊張となると何もできない。

逆に平和ボケの無関心も困る。

最悪を想定したうえで静観するのと、

何も考えていないのは全然違う。

戦後長年災害経験がない地域では、

高齢者の戦争体験も幼少期の記憶で薄れている。

人の入れ替わりが少ない田舎では、

親子3大災害知らずという幸運な人たちだけで暮らしていることもある。

「この辺りはなんともない。今までなにも起こったことがない」

祖父母も父母も兄弟姉妹も親類も隣人も、

完全に災害は他人事という認識が染み付いている。

過去に被災して最近引っ越してきた私だけがポツンと浮く。

私もここに永住していればそうなったと思う。

3 知恵も物も娯楽兼用で楽しむ 

趣味がアウトドアの家庭は最強だと思う。

キャンプ用グッズをすでに持っていて、

しかも使いこなせる人々は当然有利だ。

趣味を防災に役立てる人は多い。素晴らしい。

残念ながら私はアウトドアの素人だが、

防災にも趣味にも日常にも境界線がない。

アウトドアのベテランじゃなくてもいい。

特別なレジャー体験がなくても大丈夫。

日常生活で「思いつきキャンプごっこするだけ。

水道のない部屋でおやつを作ってみるとか。

なんでもない体験から知恵が飛び出すこともある。

意識の持ち方を変えると楽しくなるから身に付く。

2)非常用グッズは特別扱いしない

1 持ち出し用グッズの具体例

災害の種類にもよるが、

  • アウトドア用のバックパックにメインのもの。
  • 余裕があればキャスター付きのバッグ
  • さらに余裕があればもうひとつ予備バッグをキャスター付きの上に乗せる。
  • 履きなれた靴。

バックパックには一般的によくある非常持ち出し用袋的なものを厳選。

(一般的な情報になるので詳細は省く)

f:id:mimikobito:20210708160436j:plain

メインのバックパック内には、

最小規模の焚き火調理ができるアウトドアグッズ一式、応急手当て物品、

泥水でも飲める浄水器ボトル。レイングッズやタオル・サラシなど。

通帳とか印鑑とかの貴重品類は、

大災害だと無意味だが不安解消・お守りになる。

小銭が一番役立つが重い。大量の持ち運びには限度がある。

紙幣はダントツ千円札。

地味だがココ重要!

釣り銭がもらえない前提での万札は損失が大きい。

f:id:mimikobito:20210708175646j:plain

究極は物々交換もあり。

私はあら塩を備蓄してある。

万能で保存が効き、ないと命に関わるため金銭以上の交換価値がある。

国中焼け野原でなければ金銭もまだ機能するが、

生き延びるために実用的なのはかもしれない。

手指消毒液の代用にも使えて、

手に入れた野菜などの食品を保存食にできる。

神戸の震災翌日、最初に私が食べたのは

カチコチの白米だけのおにぎりひとつ。

最高の善意が詰まったごちそうだったが、

あら塩ひとつまみで美味しくミネラルも摂れる。

重さはあるが、かさばる非常用食品を抱え込むよりいい。

キャリーカートキャリーバックなどには、

バックパックに入りきらないものを補充。

  • トイレットペーパー予備(芯なし)
  • ゴミ袋類 
  • サランラップ・アルミホイル
  • キャンプ用グッズ・カトラリー
  • 防寒防水用ウエア・長靴やラバーのシューズカバーなど
  • ゆとりがあれば衣類予備
  • 斜めかけの小さなバッグ・ウエストバッグなど

神戸の震災で実際に使ったのがスキー用のキャスター付きバッグ。

現在は日常の買い物で使っているキャンプ用のキャリーバッグを、

ドア付近を定位置にしてすぐ使えるよう準備。

2 自宅保管用グッズの具体例
  • ポータブル電源とソーラーパネルスマホ・パソコン最優先。情報確保は命綱)
  • カセットコンロとボンベ
  • 大きめのろうそく:身内結婚式の残骸・巨大キャンドルが防災グッズに変身(笑)
  • 灯油ストーブと灯油(毎年日常で使っている)
  • 薪ストーブ・焚き火の材料(木材・紙・炭など)
  • 庭先でソロキャンプができる程度のアウトドアグッズ
  • 90リットル・45リットルの厚手ゴミ袋(レインコートにもなり用途無限大)
  • 使いやすいサイズのナイロン袋各種(用途無限大)
  • 使い捨て手袋・軍手
  • ダンボール(布団がわりになり用途は無限大)
  • サランラップ予備(震災の時に大活躍した必需品)
  • アルミホイル予備(震災の時に大活躍した必需品)
  • 重曹(食用グレードにしておけば歯磨きにも洗剤にも区別なく使える
  • 水用タンクにできるもの(ペットボトル含む)
  • 未使用のタオル・シーツ・サラシなど応用のきく布類(包帯にも・用途無限大)

うちには井戸があるため生活用水には困らないが、

近くに水源があるかどうか確認をお勧めする。

ポータブル電源や結婚式の巨大キャンドル(笑)、

季節のもの(ストーブ)以外は普段使うものばかり。

アウトドアグッズはお気に入りの雑貨感覚で

コレクションするだけでも楽しい。

消耗品はストック分が一定量あるように

買い足して循環させればいいだけ。

買い置き保管の備蓄感覚がなく気楽に続けられる。

 

3)食料備蓄は日常で消費するものを選ぶ

1 持ち出し用食品の具体例
  • すでに紹介したあら塩・重曹
  • 飲料水(徒歩の避難なら最小限にして携帯用浄水器ボトルを活用)
  • 黒砂糖や飴(チョコレートは夏場溶けるのが早い)

本気で速攻避難するレベルの災害なら、

これだけ持ち出せたら優秀かも。

あとは自力で調達するしかない。

一度経験したが実際そんな余裕はなかった。

2 自宅保管用食品の具体例 
  • 玄米または白米(玄米は日持ちするが加熱時間が長い。白米が便利・水源がない場合無洗米で水節約を)
  • パック餅(そうめんに並ぶ自宅保管用必須アイテム)
  • そうめん(うどんやパスタも保存はできるが火の通りが早いそうめんが最適)
  • あら塩・味噌・醤油・酢・塩麹米油
  • 粉類(強力粉・薄力粉・米粉・片栗粉・はったい粉など。粉物はパンでもお好み焼きでも自由にアレンジできる)
  • 梅干し(保存が効く。食品の防腐剤代わり。クエン酸補給もできる)
  • 乾物煮干し・切り干し大根・乾燥わかめ・高野豆腐。乾燥野菜など)

最低限の代表的なものだけピックアップした。

いずれも私の好きなものばかり。

必ず日常で消費するため期限切れ放置になることはない。

特別に備蓄品を管理している実感がなくストレス知らず。

[まとめ]

これらはあくまで私流の選択だ。

マニアックでレトロなものばかり(笑)

万人に役立つといえないものも多い。

ざっくりとあやふやで申し訳ない。

何が必要かは人によって違う

絶対的な正解というのはない。

ケチで節約を楽しむ自分流も好きだが、

近年はユニークで多種多様な防災グッズがいくらでも手に入る。

コストをかけてこだわるのも自由。

無駄なく楽しんで活用できるお気に入りがきっと見つかると思う。

他のわかりやすい一般的マニュアルを基本に、

こういう選択肢もあるのかという、

参考にしていただければ嬉しい。

[おまけネタ]

今日は大半大雨だったが、

ちらっと聞こえたあの鳴き声。

セミの声。

「シ、シャ…シャ…ッ」と一瞬だけ。

どことなく遠慮がちで気まずそうな声が。

春のウグイスが鳴き始める時に似ている。

「ほっ。ほ…ほけっほけっき…ほけっ…」

だんだん上手くなっていくのを見守るのが楽しい。

これ以上豪雨被害が起こらないように。

セミたちが梅雨明けを祈願してくれたようだ。